【インタビュー】理想を追い求めてシューズデザイナーへ。夢を叶えた靴、SACCO Balletti

Feb.8.12

12ss_sacco_main.jpg
2012SSでデビューしたシューズブランド「SACCO Balletti」。デザイナー生形さんは、美容誌のエディターから長年の夢だったシューズデザイナーへ転身して自身のブランドを立ち上げました。エレガントでありながら少女のような純粋な情熱を感じるファーストコレクション。彼女のシューズへかける想いをメールインタビューしました。

♥SACCO Ballettiのブランドコンセプトを教えて下さい。

SACCOはイタリア語で「バッグ、包み込むもの、袋」の意です。足を優しく包み込むようなソフトで高品質なレザーを使用しています。履き心地にこだわり、日本人の足にも合うように木型の細部にこだわっています。また、足を美しく見せるカットラインにこだわっています。

12ss_sacco_01.jpg

♥ファーストコレクションのコンセプトやラインナップは?

“ポアントの美しさを凝縮したシューズを作ること”がブランド誕生のきっかけになりました。自分自身がトウシューズに魅了され続けてきたこともあり、トウのカービーなラインを靴のデザインに生かせないかと考え、木型からこだわり作っています。9.5cmと足の甲のラインが最も美しく見えるハイヒールをベースに、ミドルヒール、ローヒールの3種をラインアップしました。ポアントトゥは美しいだけでなく、ハイヒールでも指先が痛くなりにくいというメリットも。

♥デザインはどんな風に生まれるのでしょうか。

音楽やアート、花や動物など、インスピレーションの源はさまざまです。形のディテールや色など、そのシーズンで気になる素材を、取り入れてデザインしています。トレンドにとらわれすぎずに、音楽を聞きながら頭の芯をゆるめてデザインするのが好きです。スケッチブックと鉛筆を持って、自由に発想を膨らませていきます。

12ss_sacco_ubukata.jpg

♥以前はどんなお仕事をされていましたか。

雑誌のエディター、ファッション週刊紙で海外ニュースの翻訳記者をしていました。グラビアページの撮影、ディレクションするといった仕事から、翻訳や取材を通して記事まとめるという仕事まで、幅広く経験させてもらいました。

♥シューズデザイナーになろうと思った経緯を教えて下さい。

“シューズデザイナーになること”はそもそも子供の頃に抱いていた夢でした。振り返ってみると美しいシューズに強い関心を抱くようになったのは9歳から13歳まで滞在していた英国で生活していた時のことでした。優美な曲線、美しい配色の革靴を履いた女性を見かけては足元に見入っていたのを覚えています。また、ロンドンの古着屋で様々な年代のヴィンテージシューズを探し出すのも大好きでした。小学校6年生の授業で将来なりたい職業について尋ねられたことがあり、その時迷わずに「シューズデザイナー」と答えたのを記憶しています。

12ss_sacco_02.jpg

♥なぜ自身のブランドをつくろうと思ったのですか。

大学生の時に、私の足のサイズが25.5cmと大きく、また足幅が極度に細いこともあり、なかなかきちんと履ける靴がなかったため、39〜40サイズを求めて、海外から靴を個人輸入するようになり、これをきっかけにイタリア製の革靴の美しさや香り、履き心地にどんどん魅了されていきました。市場に美しいと思えるシューズを発信していきたいという気持ちも生まれて、ブランド立ち上げに行きつきました。

♥実際の立ち上げまでにどんな経緯がありましたか。

エディターからシューズの世界に入るには知らないことも多かったので、まず業界の方が多く集う教室や工房を通うことにしました。そこで出会った職人やメーカーの知り合いを通じて、多くを学びました。今でもその時に培った人脈が仕事に生きています。2年程学んだのちに、メーカー様探しをスタートしました。こちらの世界観や感性を理解してくれ、表現してくれるメーカー様に出合うために数社をまわりました。今のメーカー様に出合えたことは幸運だったと思っています。

12ss_sacco_03.jpg

♥ブランド立ち上げで大変だったことや印象的だったことを教えて下さい。

一番大変だったのはやはり何といっても理想とするシューズを完成させることでした。そのためにシューズを形成する各パーツや構造を見わたすことに苦労しました。靴はパーツが多いぶん、材料メーカーも扱う職人も細かく分かれてきます。ざっくり言って、木型、紙型(パターン)、製甲、つり込み、底づけと関わる職人も複数になります。そうすると考え方も言い分も異なりがちです。そんななかで理想とする一足のシューズとしてまとめあげるためには、あらゆる角度から靴が見れることが必要になります。(例えば、ヒールの安定感に問題を感じたなら木型とヒールとのバランスを疑ってみる。ソールやヒールが少しでも反っているように感じるなら、つり込み具合を見るなど)問題は木型なのか、パターンなのか、つり込みなのか、常に謎解きをしているような感じです。まだまだ力不足なので、困ったときに確かな意見をもらえる各カテゴリーの相談相手が欠かせません。問題を見つけては、直す。試行錯誤で製品化に苦労しました。あと、国内で革やヒール、金具などの素材で理想的なものを見つけるのが至難の技でした。

試作サンプル段階で木型を繰り返し修正するなど、ブランドの根幹となる部分に時間をかけました。自分の足は、長さはあるけれど、足幅が標準よりも細いこともあり、基準値を決める際に苦労しました。印象的だったのは、国内でできないと思っていたことが最後まで諦めなければ形にできるとわかったことです。

12ss_sacco_04.jpg

♥今後どんなことを目指していますか。

展示会では強い手応えを感じました。インポートと思われた方も多かったです。
「秋冬シーズンもこのテイストのまま、ブーツを作って欲しい」といった具体的な要望や期待を寄せて頂いたのが嬉しかったです。靴として、さらに完成度を上げるのが目下の課題です。今後は、シューズという枠にとらわれず、アートや音楽の世界とつながりながら、クリエイションの幅を広げていきたいです。海外の方にも履いて頂けるシューズを送り出していきたいです。

☆写真
トップ,2段目,最後:(c)Ryosuke Kikuchi
3段目,4段目,5段目:(c)Mariko Fukutani
PROFILE
SACCO Balletti Designer 生形冴香 ウブカタ サエコウ

早稲田大学第一文学部英文学専修を卒業後、ファッション誌のエディターとして出版社に入社。雑誌編集者として5年勤務後、さらにファッション業界を深く知るためにファッション週刊紙「WWDジャパン」の海外ニュース翻訳班の翻訳記者として入社。海外のデザイナーの取材等を通して、多くの刺激を受ける。3年後、退社。フリーランスのエディターとしてファッション誌で働くかたわら、靴の製甲、木型、紙型を職人からじかに教わる。6年以上学び続けるクラシックバレエのトウシューズからインスピレーションを得て「SACCO Balletti(サッコバレッティ)」を立ち上げる。上質のレザーにこだわり、革の質感を生かした美しいラインにこだわる。

♥ShoeCream Shoppingでハイヒールをチェック >>

★ブランドに関するお問い合わせ先
SACCO Balletti/info@saccoballetti.com
ShoeCream編集部

Written by

ShoeCreamShopping

最新記事

  • すべて
  • Pick up!
  • Feature
  • Remake
  • ShoeCare
  • News
Julie_main

“戦う女”=赤い靴を履いた女性が人生を切り開く!『ジュリーと恋と靴工場』9月23日公開

dbdf3e2d38272e93d303da539d00bd32_61e388631a1ab4becba1c4a0f3c16874

菊地凛子さんら登壇!映画「ハイヒール」6/24初日舞台挨拶チケット発売中

hl02-1024x683

靴と衣装に息づく“欲望”とは?アンドロイドが引き起こすファンタジー短編映画「ハイヒール」

d10022-3-866338-5

映画「ハイヒール」の世界観を東急プラザ銀座内 「HINKA RINKA 銀座」で体感!

d10022-3-332377-2

映画「ハイヒール」× 阪急百貨店『D.EDIT』のコラボ!劇場鑑賞券プレゼントのキャンペーンも実施中

main10

映画『ハイヒール』× ジョンマスターの特別レシピ!物語を反映したスムージーが期間限定で販売中

22222355

確かな腕と底知れぬ創造力。世界で挑戦し続ける女性靴職人、横尾直

甘いヨーロッパを歩く~トルンのジンジャーブレッド x フロム ザ ドアのロングブーツ

甘いヨーロッパを歩く~トルンのジンジャーブレッド x フロム ザ ドアのロングブーツ

お部屋でロコ気分を満喫!映画『わたしのハワイの歩きかた』とハワイで履きたい靴

お部屋でロコ気分を満喫!映画『わたしのハワイの歩きかた』とハワイで履きたい靴

甘いヨーロッパを歩く~ウィーンの健康スイーツ x アディダス オリジナルスのリレース・ロー

甘いヨーロッパを歩く~ウィーンの健康スイーツ x アディダス オリジナルスのリレース・ロー

甘いヨーロッパを歩く~リスボンのパステル・デ・ベレン x ラグ & ボーンのショートブーツ

甘いヨーロッパを歩く~リスボンのパステル・デ・ベレン x ラグ & ボーンのショートブーツ

甘いヨーロッパを歩く~ブダペストの豪華ドーナツ x カルネ・ド・ヴォヤージュのバレエシューズ

甘いヨーロッパを歩く~ブダペストの豪華ドーナツ x カルネ・ド・ヴォヤージュのバレエシューズ

もっと見る

hl02-1024x683

靴と衣装に息づく“欲望”とは?アンドロイドが引き起こすファンタジー短編映画「ハイヒール」

f151211_comet_main

二人が結ばれる時空はどこに?感覚に訴えかけるロマンス映画『COMET/コメット』

f151130_lucky1512_main

【12月のラッキーシューズ】遂に最終回!トリトトラクタカードで読む、あなたに必要な12月のHappy靴!

f151030_lucky1511_main

【11月のラッキーシューズ】トリトトラクタカードで読む、あなたに必要な11月のHappy靴!

f150930_lucky1510_main

【10月のラッキーシューズ】トリトトラクタカードで読む、あなたに必要な10月のHappy靴!

f150911_koibito_main

映画と靴『恋人まで1%』 ― ラブコメディ映画の常識を覆し、アラサー男女のリアルに迫る

もっと見る

【D.I.Y.】フラットシューズをクールなアンクルチェーンサンダルにリメイク!

【D.I.Y.】フラットシューズをアンクルチェーンでクールにリメイク!

【D.I.Y.】かごバッグに手作りタッセルをデコっておしゃれメキシカンなマルチバッグを作ろう!

【D.I.Y.】かごバッグに手作りタッセルをデコっておしゃれメキシカンなマルチバッグを作ろう!

【D.I.Y.】白のサマーサンダルをネオンカラーのストーンでポップにデコろう!

【D.I.Y.】白のサマーサンダルをネオンカラーのストーンでポップにデコろう!

【D.I.Y.】無地のサンダルをカラフルポップなドット柄にカスタム!

【D.I.Y.】無地のサンダルをカラフルポップなドット柄にカスタム!

【D.I.Y.】コンフォートタイプのフラットサンダルをMarni風ジュエルサンダルにリメイク

【D.I.Y.】コンフォートタイプのフラットサンダルをMarni風ジュエルサンダルにリメイク

【D.I.Y.】無地の長靴をゴールドのレオパード柄にカスタマイズ

【D.I.Y.】無地の長靴をゴールドのレオパード柄にカスタマイズ

もっと見る

【お役立ち】雨の日のビーチサンダルは要注意!

【お役立ち】雨の日のビーチサンダルは要注意!

【プロに聞くシューケア】大切な革靴の雨対策Part3:素材別お手入れ編

【プロに聞くシューケア】大切な革靴の雨対策Part3素材別お手入れ編

【プロに聞くシューケア】大切な革靴の雨対策Part2:プレケアと防水スプレー

【プロに聞くシューケア】大切な革靴の雨対策Part2プレケアと防水スプレー

アロマ香るケアクリーム MARIACREMA

【シューケア】こんなの待ってました!100%天然原料のアロマなレザーケアクリーム

【シューケア】エスパドリーユの正しいお手入れでキレイをキープ

【シューケア】エスパドリーユの正しいお手入れでキレイをキープ

Organique®アロマバスソルトづくりワークショップ@ShoeCream参加レポ

【フットケア】アロマバスソルト作りワークショップ参加レポ

もっと見る

Julie_main

“戦う女”=赤い靴を履いた女性が人生を切り開く!『ジュリーと恋と靴工場』9月23日公開

dbdf3e2d38272e93d303da539d00bd32_61e388631a1ab4becba1c4a0f3c16874

菊地凛子さんら登壇!映画「ハイヒール」6/24初日舞台挨拶チケット発売中

d10022-3-866338-5

映画「ハイヒール」の世界観を東急プラザ銀座内 「HINKA RINKA 銀座」で体感!

d10022-3-332377-2

映画「ハイヒール」× 阪急百貨店『D.EDIT』のコラボ!劇場鑑賞券プレゼントのキャンペーンも実施中

main10

映画『ハイヒール』× ジョンマスターの特別レシピ!物語を反映したスムージーが期間限定で販売中

hl02-1024x683

菊地凛子主演「ハイヒール」6月24日公開決定!CHANELやMIHARA YASUHIROが衣装特別協力

もっと見る

ShoeCreamを便利に購読

速報を手軽にキャッチ!

FBだけでシェアする
靴情報アリ

Instagram

編集部の
プライベートも公開!?

メルマガを購読する

オトクな情報を
逃したくない人へ!

ShoeCream Shopping

読み込み中...

Facebook

ShoeCreamShopping