映画と靴｢アーティスト｣グレタガルボら往年のハリウッド女優スタイルが楽しめる現代版サイレントムービー

魅力的なシネマヒロインをピックアップして、そのファッションから読み解くスタイルをShoeCreamが提案するヒロインShoes。今回は2月に行われた第84回アカデミー賞®授賞式で、作品賞はじめ最多タイの堂々5部門を受賞した話題の白黒＆サイレント映画｢アーティスト｣をフィーチャー。ヒロインのペピー役はアルゼンチン生まれのフランス女優、ベレニスベジョ。ウエーブしたショートヘアと表情豊かに語りかける大きな瞳がとてもチャーミングで、時流にのった新進女優の輝きと主人公ジョージを一途に慕う純な乙女心を全身で表現していた。またグレタガルボやグロリアスワンソンら当時のハリウッドを代表する女優陣を彷彿とさせるファッションも大きな見どころで、その華やかさはモノトーンのスクリーンであることを忘れるほど。今回はそんな白黒映画ならではの色彩表現に着目しつつ、ペピーのクラシカルな女優スタイルを検証してみる。

1927年のハリウッド。物語はサイレント映画界屈指の大スター、ジョージヴァレンティン(ジャンデュジャルダン)と彼に憧れる女優志望のペピー(ベレニスベジョ)が、劇的なハプニングで出会うところから始まる。後日、撮影所でエキストラ役のペピーと再会したジョージは、｢女優を目指すのなら目立つ特徴がないと｣と、自分のドレッサーに彼女を座らせてアイライナーでその口元にほくろを描く。これが未来の大スター、ペピーミラー誕生の瞬間であった。そして1929年、トーキー映画の登場とともに映画界はサイレントからトーキーの時代へ。今やペピーはトーキー映画の新進スターとしてひっぱりだこの存在になっていた。一方サイレント映画こそ芸術だと主張し、芸術家＝アーティストとしての自分に固執するジョージは一気にスターの座から陥落していく。世間から忘れられ、妻にも見放され、献身的に仕えてくれた運転手クリフトンをも失って傍らにいるのは愛犬アギーだけ。そんな孤独と絶望の淵をさまようジョージのもとへ駆けつけたのは、彼への変わらぬ愛を抱くペピーだった。彼女には希望があった。｢銀幕のスター･ジョージ｣を復活させる、ある名案があったのだ──。

ジョージとの出会いから数年後、トーキー映画界の売れっ子女優としてインタビューを受けるシーンのペピーは、若さと希望にあふれた華のある女優スタイル。深めにかぶった帽子からのぞくショートヘアと口元のほくろがなんともセクシーで、白黒の映像でもルージュの赤はしっかりと感じることができる。またドレスのゴージャスな質感と毛皮のバランスや、ネックレス、手袋、パラソルなどの小物づかいもパーフェクト。足元にはシンプルなフォルムのプレーンパンプスを合わせ、グラマラスなスタイルに洗練された表情を添えている。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

パンプス CASADEI (カサディ) ¥69,000

女性にとって万能にして最強の勝負カラー、レッドのピンヒールで鉄壁の女優スタイルを演出。型押しのポインテッドトゥがちょっぴり大人顔

♥ShoeCream Shoppingでパンプスをチェック >>

楽屋でメイク中のペピー。このシーンの彼女は帽子もヘッドドレスも着けず極めてミニマルなスタイリングだがその存在感は圧倒的。特にクラシカルなカールが目を惹くヘアスタイルは｢サンセット大通り｣で有名なサイレント映画時代の名女優グロリアスワンソンをイメージさせる。またドレスは襟元の繊細なラインとダイヤをちりばめたようなスパンコールが美しいデザインで、清楚な彼女の魅力を上品に際立たせている。今を時めく新進女優ペピーの、素材としての輝きが光るスタイル。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

アンクルストラップサンダル GIANVITO ROSSI (ジャンヴィトロッシ) ¥95,000

ラメ＆スパンコールのドレスをクールに引き締めるアイスカラー。オーロラの光の帯が足の甲を包むようなデザインが極めてアーティスティック

♥ShoeCream Shoppingでサンダルをチェック >>

お互いに惹かれ合いながらも時代の波に引き裂かれていくジョージとペピー。そんなある日、ペピーは新聞でジョージの悲惨な近況を知り、舞台衣装のまま撮影所を飛び出して彼のもとへ。この場面のペピーは黒とシルバーのヘッドドレスに黒の手袋、そしてスパンコールがきらきらと夜光虫のような光を放つ黒のドレスという貫録の女優スタイル。そのクールな艶やかさは、神秘的かつ完璧な美貌でハリウッドを席巻した伝説の大女優グレタガルボを彷彿とさせる。全体的に主張の強いコーディネートだが、ウエストをマークしたサテンのような質感のベルトやアンクルベルトのパンプスなど繊細なディテールの端々に、大スターになっても変わらず澄んだ心を持ち続けるペピーの可憐さが垣間見えた。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

セパレートサンダル GIAMBATTISTA VALLI (ジャンバティスタヴァリ) ¥84,000

黒+白+ゴールドは女王カラーの王道。サテンのレースディテールとメタリックモチーフの素材感がモノトーンの世界に華やかさをプラス

♥ShoeCream Shoppingでサンダルをチェック >>

♥あわせて読みたい！

「アーティスト」
http://artist.gaga.ne.jp
4月7日（土）シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー
配給：ギャガ
© La Petite Reine – Studio 37 – La Classe Americaine – JD Prod – France 3 Cinema – Jouror Productions – uFilm

★商品に関するお問い合わせ
shoescribe.com