【インタビュー】注目の新進デザイナー､ヴィヴィアンインさんのクリエイションにせまる

イギリスで唯一のファッション専門大学｢ロンドン･カレッジ･オブ･ファッション｣を卒業したばかりの新進デザイナー、Vivian Ying(ヴィヴィアンイン)さんのシューズコレクションがファッション関係者の間で注目されている。日本ではこの4月に、ロンドン在住のファッションジャーナリスト若月美奈さんが彼女の作品を取り上げて読売新聞に寄稿、紙面に掲載された十二単のようなビジュアルの美しいシューズの写真が目を惹いた。このシューズ｢Heian(ヘイアン)は、ヴィヴィアンさんの卒業コレクションのうちの1足で、子どものころから何度も日本を訪れたことがあるという彼女が大好きな着物をテーマに制作したもの。和装特有の生地が斜めに折り重なる感じや、草履の鼻緒をイメージさせるストラップ、朱塗りのような赤の色づかいなど、日本伝統の趣を踏襲しつつもそのテイストは限りなくモダン。今回、ぜひデザインのコンセプトなどお聞きしたいとヴィヴィアンさんご本人へのメールインタビューを申し入れたところ、快く応じていただけた。ということで、以下はShoeCream読者に向けた彼女のホットなメッセージです。

♥卒業コレクションのデザインコンセプトを教えてください。

着物の持つ世界観、またその美学を靴というアイテムでどう表現するか。そこを追求しました。

♥デザインのインスピレーションはどこから、どんなふうに得るのですか？

いつも頭の中にいろいろな概念がわいてくるのです。空想にふけり、そこで得たイメージをカタチに置き換えていきます。

♥靴をつくる上で、何がいちばん難しいですか？

実際に履いて歩くことを前提にデザインしなければなりません。靴としての機能性を損なうことなく、しかもビジュアルコンセプトにこだわった完成度の高い美しさを追求する。そこがいちばん難しいところですね。

♥ヴィヴィアンさんにとって靴とは？

ふだん私たちが身に着けるさまざまなファッションアイテムの中でも、靴は1ミリ2ミリにこだわってつくられる極めて精巧で複雑な構造を持ったアイテムです。最も大切なことは、見る人を一瞬で魅了してしまうような美しさ、パワーを備えた靴も、ひとつひとつ細かいプロセスを経て靴としての本来の機能をきちんと果たせるようにつくられていなければならないということ。それが私にとっての｢靴｣の概念です。

♥現在の目標を教えてください。

自分のブランドを持つことです。女性なら誰もが｢ヴィヴィアンの靴がほしい！｣と思ってくださるような、そんなブランドをつくりたいです。

♥将来、靴以外のアイテムもデザインしていきたいと思いますか？

はい。将来的にはバッグ、アクセサリー、アパレルまでデザインの範囲を広げて、ファッションブランドとして確立したいですね。それが私の夢です。

♥最後にShoeCreamの読者に向けてメッセージをください。

どんなスタイルでも、靴の選び方ひとつでそのコーディネートが素敵にも台無しにもなると思います。靴はキーアイテムなのです！

photo source：http://vivianying.co.uk/ss13-main-collection

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PROFILE
Vivian Ying（ヴィヴィアンイン）
香港出身。ロンドン･カレッジ･オブ･ファッション卒。在学中に靴作りを学び、卒業制作で日本の着物の意匠に着目した｢Heian(ヘイアン)｣｢Geisha(ゲイシャ)｣｢Kyoto(キョート)｣など8足のコレクションを発表。その個性的でインパクトのあるデザインがイギリスを代表するデザイナー Zandra Rhodes(ザンドラローズ)のパリコレクションのスタイリストの目に留まり、今年3月のパリコレでザンドラのためにデザインした靴を数点披露した。現時点ではコレクションアイテムの販売は未定。
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