映画と靴｢屋根裏部屋のマリアたち｣20世紀半ばのメイドファッションを新鮮に着こなすナタリア･ベルベケの5スタイル

魅力的なシネマヒロインをピックアップして、そのファッションから読み解くスタイルをShoeCreamが提案。今回の映画は20世紀半ばのパリを舞台に、陽気で働き者のスペイン人メイドたちとブルジョワ男の心の交流を描いた｢屋根裏部屋のマリアたち｣をフィーチャー。ヒロインのマリア役はアルゼンチン生まれのナタリア･ベルベケ。髪をきりりとまとめて家事を手際よくこなす彼女のメイドファッションは、現代の私たちも十分参考にできそうなリアルクローズ中心。シューズはオン･オフともにベーシックな黒のローヒールを愛用していたが、バレエシューズやブーティをあわせてみたり、パープル、レッドなどのさし色で遊んでみるなど、少し足元にスパイスを加えるだけでだいぶ印象が変わるはず。今回は、マリアのクラシックカジュアルなリアルファッションをチェックしつつ、シューズセレクトによる表情の変化をイメージしてみる。

舞台は1962年。故郷スペインを離れてパリにやってきたヒロイン･マリアは、ブルジョワ階級のフランス人たちが住む瀟洒なアパルトマンの屋根裏部屋で、同郷のメイド仲間との共同生活を始める。折しもこの同じアパルトマンの階下に暮らす資産家、ジャン=ルイの家では新しいメイドを探しており、フランス語が話せて清潔感のあるマリアはすぐにシュザンヌ夫人に気に入られ、晴れて雇ってもらえることとなった。そんなある日、ささいな誤解がもとでシュザンヌ夫人に部屋から追い出されてしまったジャン＝ルイは、しかたなくマリアが住む屋根裏部屋で一人暮らしを始める。そこは真冬でもお湯どころか洗面台すらない劣悪な環境だったが、マリアたちは不便な生活も苦にせず、１日の過酷な仕事が終わると廊下に集まってフラメンコを踊りながらおしゃべりし、日曜日はきまって早朝から教会のミサに出席。けっして裕福ではないが目の前の人生を陽気に楽しんでいる彼女たちの生き方に大いに共感したジャン＝ルイは、しだいにマリアと心を通わせていくが・・・・。

仕事着は自分のアイデンティーを表現する重要なギア。マリアの基本スタイルは黒のワンピースにパリっとアイロンのきいた綿ブロードの白エプロンという、極めて清楚でスタンダードなメイドファッション。ワンピースの襟元と袖口には白いリボンのパイピングが、またエプロンには全体にレース風の抜き模様が施してある。この清潔感あふれる着こなしを見るだけでもマリアの几帳面でそつのない仕事ぶりがうかがえる。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

かかとから足首にかけて巻きつくようなストラップが繊細なスエード革のバレエシューズ。輝きのあるオフブラックもシックで、エプロンの白がよりまばゆく映えそう。

アンクルストラップバレエシューズ CALVIN KLEIN COLLECTION(カルバンクライン) ¥56,500

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掃除や洗濯、靴磨きなどハードな家事をこなす時のマリアは、前述の黒いワンピースの上に、赤と青のチェック柄のスモックを重ね着。襟元と袖の折り返し部分、左右の腰ポケット開口部には赤い三角レースのテープで縁取りがしてある。このスタイルは先の白いエプロン姿とは全く違って完全な作業モード。でもこんなキュートなスモックなら着ているだけでテンションが上がって｢さあ、片づけるぞ｣という気分になれそう。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

上品なデザイン＆履きやすさが人気のイタリア老舗シューズブランド、L’ AUTRE CHOSEのキャンパスシューズ。洗練されたデザインがラフすぎず、大人の上履きみたいで可愛い。

キャンバスバレエシューズL’ AUTRE CHOSE(ロートルショーズ) ¥11,500

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ミサやマルシェなどの外出時には必ず着ていた大き目ボタンのダークカラーコート。このシーンでは裾や袖口から見えるワインカラーが引き立つように、襟元のスカーフとバッグはモノトーンでシックにまとめている。また仕事でも常に履いている愛用のシューズは歩きやすそうな黒のローヒール。アップで見ると、細かいステッチとトゥ寄りの甲ベルトがデザインのアクセントになっている。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

たとえば黒のシューズをパープルのブーティに変えるだけで、ワインカラーのスカートがぐっと華やかな表情に。インパクトのあるエッジィなソールデザインはCAMILLA SKOVGAARDの真骨頂。

ヌバックブーティCAMILLA SKOVGAARD(カミーラスコフガード) ¥52,000

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あくまでモノトーンにこだわるなら、美しいねずみ色とカットアウトしたデザインが女っぽいMAISON MARTIN MARGIELAのショートブーツで存在感のある足元に。ブラックでまとめるよりずっと若々しいスタイルになる。

ショートブーツ MM6 by MAISON MARTIN MARGIELA(メゾンマルタンマルジェラ) ¥63,000

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こちらは同じコートの下に水玉模様のワンピースと赤い花柄のスカーフをあわせたスタイル。なおこのワンピースはマリアお気に入りの一着らしく、プライベートタイムのお洒落着として好んで着ていた。特に印象的だったのはメイド仲間テレサの結婚が決まり、ジャン=ルイとメイドたちが屋根裏部屋で賑やかに宴会をするシーン。マリアはこの水玉のワンピースに濃い藤色のショートカーディガンを羽織り、メイドたちが歌うスペインの民謡にあわせてスカートの裾を振りながら華麗にフラメンコのステップを踏む。その生き生きとした表情に思わず胸が熱くなった。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

クラシカルな水玉ワンピースを可憐に着こなすなら、ヒールよりフラットなバレエシューズ。紺+白のコンビネーションとひらひらと揺れるリボンモチーフはお嬢様スタイルの王道。

リボンバレエシューズ ANNIEL(アニエル) ¥16,000

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同じワンピースでフラメンコを踊るマリアの情熱的なイメージを表現するなら、スペイン発のシューズブランド CHIE MIHARAのサンダルを。深紅のフラワーモチーフが華やかで、プラットフォームを感じさせない流れるようなシルエットも素敵。

サンダル CHIE MIHARA(チエミハラ) ¥60,600

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かっちりとしたメイドスタイルも素敵だが、髪を下ろしたオフスタイルのマリアもまた美しい。この青空に映えるブルー＆パープルのサンドレスは胸元のカットがとてもきれい。生成りベージュのリボンサンダルと組み合わせた彼女のナチュラル＆フェミニン着こなしは、ぜひこの夏のワードローブの参考にしたい。

▼このシーンのスタイルにはこんなシューズがおすすめ

カジュアルな夏の装いをとびきりドレスアップしてくれるカスタニエールのエスパドリーユ。鮮やかなパープルが全体のトーンをゴージャスに見せてくれる。甲部分のクロスもエレガント。

エスパドリーユ CASTAÑER(カスタニエール) ¥37,900

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逆に足元の色味を抑えればドレスの花柄がより清楚に際立つ。このCOLLECTION PRIVEE?のエスパドリーユはアッパー素材にキャンバス地でなくカーフを使用。シルクプリントのリボンがチャーミングな後ろ姿を演出してくれる。

エスパドリーユ COLLECTION PRIVEE?(コレクションプリヴェ) ¥45,000

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屋根裏部屋のマリアたち
http://yaneura-maria.com/pc/
７月21日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
Ⓒ Vendome Production – France 2 Cinéma – SND All rights reserved.
配給：アルバトロス・フィルム

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