現代版アール･デコをエッジィなリアルシューズで表現するチェルシー･パリス

Chelsea Paris(チェルシー･パリス)は、デザイナーTheresa Ebaguaが2008年に立ち上げたレディースシューズブランド。子どものころから靴に特別な思い入れがあった彼女は、10代になるとヴィンテージシューズに魅せられてお気に入りを求めてはノミの市めぐりをしていたとか。その後、ITビジネスで成功を収めたものの、あるとき移動中の機内でたまたま靴の歴史に関する記事を目にしてかつての熱い思いが再燃。自分が本当に欲しいと思う一足と出会うためにファッション業界に転向し、ミラノで靴づくりのイロハから学んで自身のブランドを設立した。ちなみにChelsea Parisというブランド名は、ふたりの娘のファーストネームからつけたものだそう。

2013 Spring／Summer “JASMINE”

2013 Spring／Summer “ZOE”

アール･デコをベースとしたクラシカルなディテールに自身のルーツであるアフリカンテイストのビビッドな色づかいやテクスチャーを大胆に融合したテレザのデザインは、シックの中にもエッジをきかせた独特の世界観が大きな魅力。女優にたとえて言えば、「ブリジット･バルドーやグレース･ケリーといった正統派の美貌に、キーラ･ナイトレイとオドレイ・トトゥの個性美をブレンドしたような」イメージで、時代や流行、文化を超越してニュートラルな発想で’美’を追求するテレザの鋭い感性が、シューズデザインにそのまま表現されている。加えて注目すべきは彼女が一貫して守ってきた靴づくりのポリシー。「シューズは芸術作品ではなく、実用品。ファッショナブルを極めつつも、デイタイムからアフターファイブまでずっと履いていられるリアルなアイテムでなければ」（テレザ）と、あくまで’履くこと’を第一に考えられたシューズは、ひとつひとつイタリアの工房で職人の手によってつくられている。

2013 Spring／Summer “ALEXIS PIUME”

2013 Spring／Summer “MICHELLE”

主な取扱いは、NYのシューストア’Dinuccio Ltd’ (30 W 63rd St., Lincoln Center Plz, New York, NY 10023 ／(212) 765-4758)、WashingtonDCのブティック ‘hu’s shoes‘、LAハリウッドスター御用達のセレクトショップ’Fred Segal‘、ビバリーヒルズの’GREGORY’S‘など。日本国内では現在、取扱いなし。

2013SSコレクションは、2012年に公開された2本の映画、「ミッドナイト･イン･パリ」と「アーティスト」にインスパイアされたデザインで、それぞれのヒロイン、アドリアナ(マリオン･コティヤール)とペピー(ベレニス･ベジョ)のファッションがテーマ。春の花々のように彩り豊かなカラーバリエーション、ドレス地を思わせるゴージャスな素材づかいに繊細な刺繍、とびきりデコラティブなオーストリッチの羽根かざりなど、スクリーンの中で彼女たちが身につけていた衣装を彷彿とさせる、華やかなデザインのアイテムがずらりとラインナップ。

2013 Spring／Summer “ZOE”

2013 Spring／Summer “ALEXIS PIUME”

2013 Spring／Summer “MICHELLE”

2013 Spring／Summer “CELINA”

Chelsea Paris

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