‘ビスポークを超えるRTWシューズを’新生Stefano Bemerの1stコレクション

「いい靴はただ歩きやすいだけでなく、その上質さゆえに私たちの時間を豊かにしてくれる」
ヨーロッパのビスポークシューズメーカーでは5本の指に入るとされるStefano Bemer(ステファノベーメル)。
2013年6月19日、ブランドは新たな門出を迎え、フィレンツェの古い教会を改装した新アトリエのお披露目と同時に、RTW(レディトゥウエア)ラインの最新コレクションをリリースした。

ブランド創始者のステファノさんが靴のリペアショップをオープンしたのは1983年。以来ずっと職人仲間と一緒に履く人のイメージどおりのデザイン、履き心地をほぼ100％叶えるビスポークの靴をとことん追求し続けた。たとえば素材。合法的に取り扱われるものならゾウやサメ、エイ、トナカイなど変わり種の皮も積極的に試し質のいいものだけを厳選、それらを強く柔らかい靴に仕上げるための方法を徹底的に探求した。製造工程はもちろんハンドメイド。ミツロウを塗って撚った亜麻糸で丁寧に縫い上げ、わずかな接着部分には菓子用の接着剤を使用。軽さにもこだわった結果、アーチを支えるシャンクには木製のものを用いている。
2000年、それまでビスポークで培った経験と知識を活かして初のRTWラインを発表。親日派としても知られていたステファノさんはその第1号店を日本にオープンした。その後セカンドラインもリリースし、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアへもストアを展開。メジャーブランドのような華やかな露出がなくとも、世界中の目利きシューマニアたちの間で彼の靴は深く、根強く浸透していった。

'ビスポークを超えるRTWシューズを'新生Stefano Bemerの1stコレクション

“伝説”とは本来、彼のような人のためにある言葉なのだろう。天才靴職人と呼ばれたステファノさんは2012年7月に、48歳の若さで急逝した。その後2013年1月にフィレンツェの革製品職人育成学校Scuola del Cuoioがブランドを買い取り、Tommaso Melani校長がCEO　としてステファノさんの家族とともに新しいStefano Bemerを築いていくこととなった。

【2014SSレディトゥウエア(RTW)コレクション】

カーフスキンはもちろん、StefanoBemerではお馴染みのサメ革を用いたローファーやモンクストラップシューズ、コードバンのダービーシューズ、クロコダイルのダービーシューズなどブランド定番の人気モデルがラインナップ。今後はさらにオーストリッチ、アリゲーターやクーズー(カモシカ)のスエードなどを使ったモデルもコレクションに加える予定で、近い将来、色、素材ともほぼビスポークレベルの選択肢をレディトゥウエアで提案できるラインナップを目指していくのだそう。それは亡きステファノさんが追い続けたシューメーカーとしてのゴール。新生Stefano Bemerは今、着実に彼の遺志を引き継ぎ、進化している。

'ビスポークを超えるRTWシューズを'新生Stefano Bemerの1stコレクション

http://www.stefanobemer.com/
Stefano Bemer Srl
Via San Niccolo 2, Firenze (Italia)

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