News|Jul.3.17
靴とファッションをキーワードに、ShoeCreamが厳選した映画を紹介する「映画と靴」。
今回は2014年カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞し、“新生代の天才”と称されたグザヴィエ・ドラン監督『Mommy/マミー』をフィーチャー。
物語は架空の国、カナダが舞台。ADHD(注意欠陥多動性障害)と呼ばれる発達障碍を患うスティーヴと、その母親ダイアン、そして向かいの家に暮らす心に傷を負った女性カイラの3人が織り成す「愛」と「希望」に満ちたストーリー。注目すべきは監督を務めたグザヴィエ・ドランが衣装のデザインまで手掛けたという、そのファッション。どのジャンルにもカテゴライズされることのない、とことん自由なスタイリングは、淡いパステルカラーを基調にカラフルで元気な印象。まるで、厳しい現実を前にしても、明るく自由に生きる彼等3人のキャラクターを表現しているかのよう。
【ストーリー】
2015年、カナダで可決されたS-14法案。発達障碍児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障した法律。この法律に翻弄されることになったのは夫を亡くしてからADHDを患う息子スティーヴを矯正施設に入居させていた、主人公ダイアン。施設でさえ手に負えないと判断された息子スティーヴは母親の元に送り返されることになり、二人で新たな生活をスタートするところからストーリーが始まる。
スティーヴの発達障碍、金銭問題、仕事…。厳しい現実を突き付けられてもいつも明るく笑顔を絶やさないダイアンは、少女のような心と母親としての強さを併せ持つ女性。3年前に夫を亡くしてからは経済的に困難な生活を送りながらも、弱音を吐くこともなく、立ちはだかる壁を上手に乗り越えていく。逆鱗に触れると手がつけられないほど暴れ出すスティーヴとの新生活は、親子が故にぶつかり合いも多い。そこに家庭教師としてカイラが加わることになり、親子関係は絆を深めていくことになるが、スティーヴの成長とともに母親と息子の間で一番の難関を迎えることになる。
感情剥き出しの純粋過ぎるスティーヴは、ADHDを抱えながらも夢を見つけることに。ユーモラスに富んだ親子に入り込んだ、言葉を上手く発することのできない隣人カイラの3人で、互いに境界線を持たず体当たりで向き合う。徐々にそれぞれが抱える問題に解決の糸口を見出し始めるが、そこには手放さなければいけないものも。それが「愛」か「希望」二つの選択肢だとしたら、人はどちらを捨てるのかーー。
父親の死後、母親を守るため男らしくあろうとするスティーヴの愛は、不器用なほど真っ直ぐ。世間のルールに縛られない自由で純粋な彼の心を通して、観る者は自分自身の生き方を問いかけずにはいられなくなる。
無造作なヘアーに、動きやすいラフなスタイルがスティーヴの基本。お気に入りの音楽を聴きながら飛ぶようにスケートボードを乗りこなすシーンは、映像・音楽・巧みな演出で観客を大空に誘う。映画のストーリーと同化して流れる音楽は、さすがグザヴィエ・ドランと云わしめる選曲ばかりで、BGMにも注目すべし!
♥スティーヴのスタイルにはこんな靴がおすすめ
ボーダーのトップスにラインパンツ、ドット柄のオーバーサイズのアウターは、これでもか!というほど柄×柄なのに、全体のカラーを少なめにすることでバランスが良くなる。JEREMY SCOTT ADIDASの羽モチーフのスニーカーで、どこまでも自由に羽ばたく鳥のごとく、自由で優雅な足元に。
“母と子”だけの単調な親子のストーリーではなく、カイラという第三者の視点を加えることで映画『Mommy/マミー』は大きく飛翔した。高校教師だったカイラは、復職の予定もなく先の見えない暗いトンネルの中にいたが、ダイアンとスティーヴに出会い徐々に希望の光を差し始める。彼女の将来に託された希望こそが、この映画の隠れた醍醐味なのかもしれない。
ショートカットの似合う端正な顔立ちのカイラは、暗い心とはうらはらに、イエローやピンクといった鮮やかな柄物がお似合い。洋服同士がケンカしない、無地と柄物のスタイリングを参考にしたい。
♥カイラのスタイルにはこんな靴がおすすめ
カイラのスタイリングに合うのは、ヴィヴィッドでセクシーなカラーリングの多いPIERRE HARDYには珍しい、ベージュとピンクのバイカラーバレエシューズ。足の甲をキレイに見せるカッティングの美しさは、バレエシューズのお膝元、フランスブランドならでは。
“無難にまとめる”そんな言葉はダイアンの中には存在しない。いつも挑戦的で、TPOなんて無関係!気分に身を任せ、クローゼットから自由に好きなものを引っ張り出して身につけるのがダイアン流。適当に見えるコーディネートだけれど、色が統一されていたり、小物がコンパクトにまとめられていたり、持って生まれたセンスの良さが細部に光っている。どんな時もダイアンが離さず身につけるのは、ストーリーの中でキーアイテムとなる、スティーヴからプレゼントされた“Mommy”ネックレス。
ストーリー終盤、スティーヴとカイラとともに訪れた海辺で、優しい眼差しで二人に目をやるダイアンは、母親としての強さと覚悟が感じられる。
♥ダイアンのスタイルにはこんな靴がおすすめ
遊び心を忘れない、奇抜なデザインやモチーフが大人気のロンドンのシューズブランドCHARLOTTE OLYMPIA。一般人は敬遠しがちな派手シューズも、ダイアンならなんなく着こなしてしまいそう。足場の悪い海辺でも、ヒールを欠かさないダイアンには、安定感のあるウエッジソールがぴったり。トップスのカラーとマッチするピンク以外に、ブルーやグリーンが散りばめられたカラフルなデザインは、コーディネートの要になってくれそうな一足。
『Mommy/マミー』
http://mommy-xdolan.jp
4月25日(土) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、109シネマズ二子玉川、センチュリーシネマ、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネツイン、ほかにて全国順次公開
配給:ピクチャーズデプト
提供:鈍牛倶楽部、巖本金属
Photo credit : Shayne Laverdiêre / © 2014 une filiale de Metafilms inc.
♥商品に関するお問い合わせ
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