SHOE MANIAX

まずは、好きになることから

シナリオライター 珠希けい さん

photo:ShoeCream text:Yoko Shiba Vol.011

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4年前にシナリオライターとしてデビューしました。主に小説やマンガ、最近ではニンテンドーDSゲームをメインライターとして執筆しました。ゲームに関しては仕事で接するまであまり興味がなかった方ですが、今はすごく好き。「ゲーム、おもしれぇ~(笑)!!」って。なんでもそうですが自分からその世界に入り込まないと、深く知ることはできませんよね。好きなもののこととか、感動した話は「ねえ、聞いて聞いて!」と人に言いたくなるでしょ?そのテンションがないとおもしろいシナリオは書けないかなと思って。というか、自然に夢中になっているんですけどね。入り込みやすいんです。私はライターになる前はパルコの店舗ディベロッパーでした。出店開発や宣伝広報のほか、グランドフロアーで靴や服などのテナントショップを数年担当しました。店舗運営の仕事が面白いと感じるようになったのはショップと深く関わるようになってからですね。


もともとファッションに詳しいわけでもなく店舗経験もない私が、ショップのベテラン店長やオーナーと同じ土俵で会話できるはずもなくて、最初は現場で話のレベルがかみ合わない毎日。私の上司とベテラン店長の間を往復する伝書鳩のようなものでした。でもなんとか信頼してもらえるようにならなきゃ!と。そのうち何度もショップに通ううちにその商品が可愛く見えてきてつい購入することも。ディベロッパーの立ち位置ではなくお客様側に立った時、今までと違う感覚に気付きました。「このインポートの靴、すごくかわいいのに売れない。確かに、土踏まずの部分がペッタンコで歩きにくい」「コルク底って雨の日はダメなんて知らなかった」と雑談に加わったり、靴擦れや足疲れの悩みも対処してもらったり、会話の中からいろいろなことを学び、どんどん靴が好きになりました。


同時に靴を愛するショップの人たちを心から好きになりました。何足ぐらい買ったか?数えたことはないけど、相当買いましたね。合う靴をみつけると色違いで買うのはもちろん、展示会で仕事の話をしながら新作モデルを個人発注していました(笑)。もうすっかり靴ファンだったんでしょうね。オーナーやショップと信頼関係ができると、チームのような一体感で仕事も充実。「よく(うちの靴を)履いてくれているよね」「珠ちゃんがいいって言ってた靴、売れてるよ」なんてしょっちゅう声をかけてくれて嬉しかったです。当然、ビジネス的なやりとりがメインになるけど、現場を知ること、人を知ることは私に大きなエネルギーをくれました。


折衝(せっしょう)が仕事だったせいか話すことが苦ではないので、今でも靴を買う時には自分の足に合うかどうかショップでよく相談して選んでいます。見てかわいいなと思っても、試着で「ここ、あたるでしょ?今は平気でも、長く履いていると痛くなると思います」とかネガティブなこともきちんと言ってくれるから店員さんにはいろいろ聞いてみるといいですよ。試着中もじっとしていなくて、履いたまましばらく店内を歩き回って別の靴を見たりしています(笑)・・・。ここまでじっくり靴を選ぶのはもちろん好きだからというのもあるけど、私自身、日ごろよく歩くからでしょうね。当然、履きごこち重視。靴はファッションアイテムと同時に自分のカラダの一部みたいに思っています。

歩くって運動不足の解消になるし、何より歩いている間にものすごくアタマの整理ができるんですよ~!私、仕事の時と真夏以外、ほとんど電車を使わないんです。たとえば渋谷から銀座までだったら徒歩80分くらい。歩きながらシナリオのあらすじを考える「ひとりブレスト」をしたり、書き終えたシナリオの「脳内校正」をしたり、集中している時はまわりの景色を覚えてないくらい(笑)。外にいる開放感?からか、家の中では自制心が邪魔して書けないようなセリフが次々浮かんできちゃいます。何かひらめくたびに立ち止まっては道端の壁でメモ書いたりするから、周りの人はびっくりしてるかもしれないけど ね(笑)・・・。


好きになること。深く知ること。常に目の前の仕事に体当たりで臨み、人とのコミュニケーションから多くを吸収してきた珠希さん。「人との会話から得る刺激はライターにとって財産。体感もまた財産。たとえ悔しい思いをしてもこの悔しさをしっかり自分に刻め!いつかシナリオに使える」と考えると、たとえ絶叫したくても全て受け止められるそうです。お話が面白くてあっという間に時間が過ぎました。

▼PROFILE
珠希 けい Kei Tamaki
シナリオライター

北海道小樽市出身。大学卒業後に㈱パルコに入社し、店舗開発、宣伝広報などに携わる。パルコ退職後、シナリオライターとして活躍。
主な作品は、7/30発売のニンテンドーDS恋愛アドベンチャーゲーム「サイキン恋シテル?」のゲームシナリオをはじめ、マンガ原作、小説企画、作詞など。
珠希けい公式サイト
http://www014.upp.so-net.ne.jp/tamatama/

[写真一段目]
■アンクルカフスサンダル:WANONANO
珠希さんにしては珍しく短時間で購入を決めたという今いちばんお気に入りの1足。「サンダルだけどカバーしてる部分が多いので春~初秋までいけそうだし、ロールアップしたデニムにも合うかなって」
[写真二段目]
■アンクルストラップサンダル:WANONANO
淡いサーモンピンクとサイドのベージュのコンビがフェミニンな印象のサンダル。ヒールは3cmほどだが、シャープなつま先とアンクルのストラップでドレッシー。
[写真三段目]
■サンダル
いずれもパルコ時代に買った10年選手のサンダルたち。どれも好きで手入れしながらよく履いているが、ブルーのサンダルはベルトのバックルが甲に当たって痛いから「長く歩く時には履けなくて残念」
[写真四段目]
■帽子
「パルコ時代、靴だけでなく帽子もたくさん買いました。お気に入りはコレ」

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